相続税・贈与税改正 その1 (平成15年税制改正より)
 

平成15年度税制改正の目玉のひとつに「相続税贈与税」の改正が挙げられます。中でも「相続時精算課税制度」という新しい制度が導入されました。今回から数回にわたり、贈与税、相続税の改正点と相続時精算課税制度について検証いたします。
果たして私たちの生活・経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

1.相続税の税率改正
2.新たな贈与制度「相続時精算課税制度」の導入
3.贈与税の税率改正

◆1.相続税の税率改正
これまで相続税の最高税率は70%でしたが、今回の改正により、平成15年1月1日以降の相続又は贈与については最高税率が50%となり、税率の刻みも緩やかになりました。

●相続税の税額速算表

法定相続分に応ずる取得金額 改正前 改正後
税率(%) 控除額(万円) 税率(%) 控除額(万円)
  800万円以下 10
- 10 -
800万円超
1,000万円以下 15 40
1,000万円超 1,600万円以下 15

50

1,600万円超 3,000万円以下 20 120
3,000万円超

5000万円以下

25 270

20

200

5,000万円超 10,000万円以下 30 520

30

700

10,000万円超 20,000万円以下 40 1,520

40

1,700

20,000万円超
30,000万円以下 50 3,520
30,000万円超 40,000万円以下 50

4,700

40,000万円超 100,000万円以下 60 7,520
100,000万円超   70 27,520

●改正前と改正後の相続税額の比較

【 前提条件 】
・相続人は子供1人とする
・課税価格=相続財産−債務、葬式費用

課税価格 (1)改 正 前
(2)改 正 後 減税額(1)−(2)
1億円 730万円 600万円 130万円
3億円 8,480万円 7,900万円 580万円
20億円 10億8,880万円 9億2,300万円 1億6,580万円

◆2.新たな制度「相続時精算課税制度」の導入

新たに「相続時精算課税制度」が導入されました。従来、贈与税は贈与の行われた年毎に贈与を受けた人がその金額に応じて納税し、原則として、課税関係は終了していました。今回導入された「相続時精算課税制度」は相続税と贈与税を一体化し、贈与時には、大規模な贈与の非課税枠(2,500万円)を設ける一方、この贈与財産を相続時に持ち戻し、贈与財産と相続財産を合算して相続税を計算し、税金を納付・精算する制度です。
この新たな贈与制度は従来型の贈与との選択制となっております。すなわち、贈与の都度税金を精算する従来型の贈与と相続時に税金をまとめて精算する新たな贈与のいずれかを、納税者が選択できることとなりました。

●相続時精算課税と従来の贈与の違い(イメージ図)


◆3.贈与税の税率改正
従来型の贈与税も相続税同様これまでは最高税率が70%でしたが、今回の改正により、平成15年1月1日以降の相続又は贈与については最高税率が50%となり、税率の刻みも緩やかになりました。

●贈与税の税額速算表(相続時精算課税制度を選択しなかった場合 )

基礎控除後の金額 改正前 改正後
税率(%) 控除額(万円) 税率(%) 控除額(万円)
  150万円以下 10
- 10 -
150万円超 200万円以下 15 7.5
200万円超 250万円以下 20 17.5 15

10

250万円超 300万円以下 25 30
300万円超 350万円以下

20

25

350万円超 400万円以下 30 47.5
400万円超 450万円以下

30

65

450万円超 600万円以下 35 70
600万円超 800万円以下 40 100

40

125

800万円超 1,000万円以下 45 140
1,000万円超 1,500万円以下 50 190

50

225

1,500万円超 2,500万円以下 55
265
2,500万円超 4,000万円以下 60 390
4,000万円超 10,000万円以下 65 590
10,000万円超   70 1,090

●改正前と改正後の贈与額の比較

【 前提条件 】
・贈与額=基礎控除前、 万円未満四捨五入

贈与額
(1)改 正 前
(2)改 正 後 減税額(1)−(2)
1,000万円 261万円 231万円 30万円
1億円 5,839万円 4,720万円 1,119万円