ペイオフと不動産 (あなたのお家は大丈夫?)
 

ペイオフとは民間の金融機関が万が一破綻したとき、預金保険機構が保険金として預金者1人あたりの元本 1,000万円とその利息を直接支払うことです。これまでは特例として、金融機関が破綻しても預金は全額保護の対象となっておりましたが、ペイオフ全面解禁と呼ばれる平成17年4月1日以降、決済用預金以外は保護される金額が定額すなわち1預金者あたり1,000万円とその利息となり、それを超える部分は保証されなくなります。すなわち還ってこない場合もあるということです。
この「ペイオフ解禁」により、不動産を新たに取得する場合や、既に取得した人にも大きな影響を与えます。さてどのような影響を与えるのでしょうか?

1.住宅ローンなどの借入金がある人
2.マンションを持っている人、取得しようと考えている人
3.今後のマンション取得

◆1.住宅ローンなどの借入金がある人
破綻した金融機関に借入金がある場合は、預金と相殺が可能な場合があります。ただし、相殺可能なのは、原則、普通預金当座預金など満期の無い預金です。満期のある定期預金で満期前のものについては金融機関で定めている預金規定に「借入金と相殺ができる旨」を定めていなければ相殺できませんので金融機関に確認が必要となります。
また、借入金をしたときの借入約款などに「預金との相殺を禁止する」などの特約が入っている場合は、相殺できませんので、これも金融機関に確認が必要となります。

●預金と借入金の相殺が可能なもの

1.普通預金、当座預金などの満期のないもの
2.満期前の定期預金で預金規定により「借入金と相殺可能な旨」を定めていること
3.借入約款に「預金との相殺を禁止する旨」の特約がはいっていないこと

●預金と借入金の相殺イメージ


このように相殺可能な場合は結果、預金2,000万円の全額が保護されることとなります。

◆2.マンションを持っている人、取得しようと考えている人
預金保険制度では1預金者あたり保証額1,000万円となっております。1預金者とは、1個人、1法人、1権利能力なき社団・財団となっています。権利能力なき社団には、多くの「マンション管理組合」が含まれます。すなわち多くのマンション管理組合が1預金者とみなされますので、マンションの管理組合で預けている預金の保証額は1,000万円となってしまいます。所有者みんなで将来の修繕に備え、蓄えている修繕積立金が多額の場合はちょっと不安が残ります。

●マンション管理組合のペイオフ対策

1. 預金がそれぞれの区分所有者個人に帰属するように「区分所有者は積立金の
分割を請求できる」などの規約を管理規約に定める。
2. 格付けの高い金融機関に預ける。
3. 積立金を複数の金融機関に分散する。
4. 金や国債・有価証券などに分散する。

このような対策が考えられますが、管理の煩雑さが増す対策が多く、@などは売却する度に積立金を払い戻さなければいけなくなるなど、非現実的ですので、必ずしも得策とは言いがたいでしょう。今後の改正が望まれるところです。

注)権利能力なき社団・財団とは団体として組織され規約等の運営方法が定められていること、または個人財産とは独立した財産を有している、運営の為の組織を有している団体などです

◆3.今後のマンション取得
2.で述べたように、今後マンション、特に中古マンションを取得する場合には、マンションの修繕積立金の残高はもちろん、その運用先、預け入れ先なども確認する時代になります。結果、損をするのは自分ですからね。



<参考>ペイオフのスケジュール
 
預金の種類 平成14年3月末まで 平成14年4月〜
平成17年3月末まで
平成17年4月以降
・普通預金
・当座預金
などの流動性預金
全額保護  
決済性預金にあたる
預金は全額保護
・定期預金
・定期積金
などの定期性預金
合算して元本1,000万円とその利息とその利息等を保護
・外貨預金
・譲渡性預金
など預金保険保護対象外の商品
保護対象外破綻金融機関の財産状況に応じて支払い

※決済性預金とは「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という条件を満たす預金です。
  詳しくは金融機関におたずね下さい。