これで消費者も安心!?(消費者契約法と不動産取引)
 

消費者契約法とは消費者と事業者との間の契約において、事業者の一定の行為によって消費者が誤認したり、困惑した場合にその契約を取り消すことができることとし、また消費者の利益を不当に害することとなる契約条項を無効とすることにより、消費者の利益を擁護しようという目的で平成13年4月1日に施行されました。
これで消費者は安心して契約することができるのでしょうか?
不動産取引と消費者契約法について解説します。

1.消費者契約法の概要
2.不動産取引と消費者契約法
3.取り消し可能な契約とは
4.不当な条文の無効とは
5.自己責任

◆1.消費者契約法の概要
対象とされる契約・・・ 事業者と消費者の契約であること。したがって事業者と事業者の契約や消費者と消費者の契約はこの法律の対象とはなりません。



法律の効果・・・ 1.消費者が誤認、困惑した場合に契約を取り消すことができる。
2.消費者の利益を不当に害することとなる契約条項を無効にできる


適用時期・・・ 平成13年4月1日以降に締結された「消費者契約」について適用されます。

◆2.不動産取引と消費者契約法
不動産取引における消費者契約法の事業者、消費者の定義は以下のようになります。

(1)事業者・消費者の定義

事業としてでもなく、事業のためにでもなく契約の当事者となる個人

株式会社、有限会社などの法人業者や個人で宅建業を営むもの
また、個人のアパート経営者(大家さん)も事業者に該当する

(2)適用対象となる契約

不動産取引において消費者契約法の適用対象となる契約は以下のような契約です。

1)宅建業者を売主または、買主とする売買契約

2)ビル、アパート、マンションなどの貸家の経営者との賃貸借契約


3)売買、交換、賃貸のあっせんを依頼する媒介契約

◆3.取り消し可能な契約とは
不動産取引において取り消し可能な契約とは具体的に下記のようなケースで、消費者が「誤認または困惑した」場合です。違うことを間違ってとらえる。つまり、勘違いしてしまったような場合です。




◆4.不当な条文の無効とは
契約書の条文のうち、消費者にとって不利益となる条文は無効となります。無効となる条項の主なものは以下の内容です。

■ 無効となる条項例

  (1)事業者の損害賠償責任を免除する条文
  例:いかなる理由があっても売主(事業者)は一切の責任を負わないものとする。
 

  (2)消費者の権利を制限し、義務を加重することによって消費者の利益を一方的に害する条項
  例(1):いかなる理由があっても契約の解除はできません。
  例(2):契約違反した場合貸主(事業者)は何の催告も要せず契約解除できる。
 

 

(3)消費者が支払期日に遅れた場合、未払い額に課される金利のうち14.6%を超える部分

 

◆5.自己責任
このように消費者保護を目的としてこの法律が施行されました。しかし、契約をめぐるトラブルは未然に防ぐことが一番です。消費者の皆さんも、「この法律が出来たから安心」ではなく、より一層、自己責任のもと、意思決定されることが望ましいのではないでしょうか。